the-courage-to-be-happy

今回は以前に紹介した「嫌われる勇気」の続編である「幸せになる勇気」をAudibleで聞きました。 アドラー心理学は今までの生き方とはガラッと変わるような考え方をしていて前作を読んだ時にはとても感銘を受けましたが、結局生活の中にどうやって落とし込めばいいんだろう?みたいな感じに僕自身なっていました。 本作ではアドラー心理学の実践方法にふれていて前作を読んだ人は必ず読んだ方がいいなと思いました。

読む目的

  • アドラー心理学の実践方法を学ぶ

学び

  • 叱っても、褒めてもいけない。
    叱ることは相手を尊敬せずに従わせる行為であり、コストの低い暴力的なコミュニュケーションである。 また、褒めることは相手の承認欲求を満たす行為であり、所属する共同体の中で競争を産んでしまう。 競争が生まれると勝ち負けが生まれて誰もが敵になってしまう。

  • 教育する際に「問題行動の5段階」は知っておいた方がいい。
    第一段階:称賛の欲求
    褒めてもらうことで共同体の中で特権的な地位を得ようとする。
    第二段階:注目喚起
    とにかく目立つことで特別な存在になろうとする。
    第三段階:権力争い
    戦いに勝利することで、自らの力を誇示して特権的な地位を得ようとする。
    第四段階:復讐
    愛が得られないとわかったので、他者と憎しみでつながろうとする。
    第五段階:無能の証明
    これ以上の絶望を経験したくないので、あらゆる課題から逃げようとする。

  • 尊敬とは、人間の姿をありのままに見て、その人が唯一無二の存在であることを知る能力のことである。
    この言葉はエーリッヒ・フロムの言葉で普通に世間で認知されている尊敬とかかなり違っている。 一般的な尊敬は経営者や上司や芸能人などに憧れを抱くような感情だと思うが、エーリッヒ・フロムはこう言っている。
    「それは尊敬ではなく、恐怖であり、従属であり、信仰です。相手のことをなにも見ておらず、権力や権威に怯え、虚像を崇めているだけの姿です。」

  • 自立とは自己中心性からの脱却である。
    自立はただ親元を離れて自分の力で生活をすることとかではなく、愛のタスクに向き合って人生の主語を「わたし」から「わたしたち」に変えること。 利己的にわたしの幸せを求めるのではなく、利他的にあなたの幸せを願うのではなく、不可分なるわたしたちの幸せを築き上げることが愛である。 わたしたちの幸せを得るための課題こそが共同体感覚にも繋がる。

行動すること

  • 叱ることも褒めることもせずに相手を尊敬する。
    叱ることは悪影響でしかないので絶対にしない。 褒めない対応は難しい場面があるが基本的に相手を尊敬して成果を出した場合もその相手が頑張ったから今があることを伝える。

  • 相手を信頼する。
    人の悩みは人間関係であり、人の幸せも人間関係から得ることができる。 交友関係を築くためにも相手がどういう人間なのかよく考え、その上で相手を損得なしに信頼する。 だが何度も裏切ったりする相手の場合は無理に信頼をする必要はない。

感想

  • 本作もめちゃくちゃおもしろかった。アドラー心理学は理解するのが難しいが確かにって思うことがたくさんある。
  • 他者とは分かり合えないとか一見すると冷たい考え方に思えるが、現実的に考えてどうやったら幸せに生きることができるのかに踏みこんでいて興味深い。
  • 愛のタスクの話で運命に支配されてはいけない、自らの勇気を持って運命の手綱を握るみたいな話もおもしろかった。 よく僕たちは「運命の人」とか言うがそれは普段出会う人などが「運命の人」ではなかったと無理やり納得させているだけで、 この人とどんな困難に襲われても共に歩む勇気を持てていない。 将来のことは誰もわからないからこそ楽になるため、運命の下僕になるのではなく、運命といえるだけの関係を築き上げることが大切。 幸福な運命を作れるのかは自分次第。運命に中指を立てろ!